甲子園は人生を変える場所、だから目指せ

 しかし、甲子園の大声援の中でプレーした瞬間、それまでの気持ちが一気に変わりました。あれだけお客さんの中で野球ができることがうれしかった。あれだけの生徒に応援してもらえることもうれしかった。

 普段の僕は授業を適当にやっている。なのに、みんなから一生懸命応援してもらえる。全国の方にも自分のプレーを見てもらえる。そんな機会は甲子園しかありません。

 これまでやってきた努力、支えてきたチームメイトへの感謝の思いも出てきます。甲子園に出ることは、感謝の気持ち、努力の大切さを教えてくれる貴重な経験になります。

 甲子園に出て人生が変わった、という人がたくさんいます。野球選手としてだけでなく、一人の人間として。

 甲子園は人生を変えます。だから高校球児が目指すべき場所なのです。

平下晃司(ひらした・こうじ)

宮﨑・日南学園時代は左の強打者として活躍し、1995年に選抜、夏の甲子園出場を経験。同年、近鉄バファローズから5位指名を受け96年から00年の4年間プレー。トレードで阪神に移籍し(01年から04年途中)、その後ロッテ、オリックスを経て07年に引退。現在は東大阪市にある「ブリスフィールド東大阪 スポーツアカデミー」のベースボールスクールのヘッドコーチを務めながら、東大阪長田ボーイスの監督を務めている。