夏の甲子園(第106回全国高等学校野球選手権)がいよいよ7日に開幕する。ズバリ優勝候補を挙げていきたい。

今年は投手力がウリのチームが有利!そしてここまで3年連続で2回戦登場チームが優勝!

まず今年の甲子園で優勝するためには、以下の2つの条件が必要だろう。

 ①投手力の高さ ②日程が優位 

 ①については、今年導入された“飛ばない新基準バット”の影響が大きい。3本しか出なかったセンバツよりも本塁打数は増えると思うが、やはり投手優位の戦いになりそうだ。昨年優勝した慶應義塾は5試合で32得点という強打で優勝した。ただ今年は各校、新基準バット対策として、守備重視で作り上げているチームが多い。また投手のレベルも高い。ロースコアの接戦が多くなりそうだ。

 ②については今年は例年以上の猛暑になりそうで、なるべく試合数を減らして決勝にまでたどり着きたい。となると2回戦出場が有利になる。

 過去10年は2回戦登場で優勝したチームは以下の通り。

 2015年 東海大相模(神奈川)

 2016年 作新学院(栃木)

 2021年 智辯和歌山(和歌山)相手校のコロナ感染辞退で3回戦から

 2022年 仙台育英(宮城)

 2023年 慶應義塾(神奈川)

 年々夏が暑くなる中で、3年連続で2回戦から登場するチームが優勝しているのだ。今年は1回戦で強豪校同士のつぶしあいがあり、消耗度は大きいだろう。

東海大相模を優勝候補として推す理由

 その中で優勝候補の筆頭に挙げたいのは東海大相模(神奈川)である。

 なんといっても条件①に適う超高校級投手が2人いるのが強い。149キロ左腕・藤田琉生投手(3年)は神奈川県大会で登板した4試合中3試合に先発して、防御率1.77をマーク。150キロ右腕・福田 拓翔投手(2年)も4試合に登板、2試合に先発して試合を作った。2人とも速球だけではなく、変化球の精度も非常に高く、どの強豪校相手でも試合が作れる。

リリーフでは、147キロ右腕・髙橋 侑雅投手(3年)、130キロ後半の速球、カットボールを武器とする塚本 空輝投手(3年)がリリーフで控える。原俊介監督はこの夏、2人への信頼を深めたのか、積極的にリリーフ起用する場面があった。この甲子園でも十分に起用されそうだ。

 打線では速球投手に強い中村 龍之介外野手(2年)が軸だ。神奈川大会で打率.481、2本塁打、7打点と主軸として頼もしい活躍。中村とともにスラッガーとして活躍する金本 貫太内野手(2年)、神奈川大会で打率.538の木村 海達捕手(3年)、堅守でチームを牽引したショート・才田 和空内野手(3年)は打率.636をマークした。神奈川大会のような打線のつながりを甲子園でも発揮したい。

 東海大相模の初戦は大会6日目第2試合・富山商戦である。これに勝利すれば、中3日で3回戦。そして3回戦では広陵vs熊本工の勝者と対戦となり、ここが前半戦の山場だろう。こちらも勝利すれば、中2日で準々決勝。有力校の中では最も日程に恵まれている。

 戦力的にも、日程的にも東海大相模を優勝候補として推せる条件が揃っている。

対抗馬は報徳学園、大阪桐蔭、青森山田の3校か

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