今年の大阪桐蔭は「投手力」、守備に主体のメンバー構成で全国制覇狙う

京都国際(京都代表)
打撃A 投手B 走塁B 守備A

 もともと守備主体のチームだったが、春から夏にかけて打撃力が大きく向上。決勝戦でも17安打14得点で京都外大西を圧倒した。4番ショートの藤本 陽毅内野手(3年)が大きく成長し、特に準決勝の龍谷大平安戦は4打数4安打4打点、決勝では4打数3安打5打点と当たっている。強肩の奥井 颯大捕手(3年)、俊足の澤田 遥斗外野手(3年)など好打者が揃っており、大量点が期待できる。

 伝統の守備も非常に堅く、失点を与えない。投手ではU-18代表候補の左腕・中崎 琉生投手(3年)、期待の2年生左腕・西村 一毅投手(2年)はいずれも完投能力が高い。不安があるとすれば、勝ち進んだ時の投手運用。京都は中崎、西村の2人で乗り切ったがレベルが高い甲子園ではそうはいかないだろう。2人以外の投手の踏ん張りが全国制覇の鍵となる。

大阪桐蔭(大阪代表)
打撃B 投手A 走塁B 守備A

 毎年、甲子園に出場すれば優勝候補として注目される大阪桐蔭だが、今年も有力だ。その中でも抜きん出ているのは投手力だろう。センバツで活躍した平嶋 桂知投手(3年)が不調気味。それでも、中野 大虎投手(2年)、森 陽樹投手(2年)と代わりに投げられる先発投手がいる。森は覚醒の兆しが見えてきた。決勝戦の東海大大阪仰星戦で15奪三振1失点完投勝利を挙げた。平嶋が復活すれば、さらに盤石となる。

 打撃は新基準バットに苦しんでいるのか、履正社戦の5回コールド勝ちを除くと、ロースコアでの試合が多い。甲子園でもそれほど打線爆発は期待できず、3~5点勝負となるだろう。メンバー構成は秋、春と比べると守備重視となり、6月の練習試合から好調だった内山 彰梧内野手(3年)はファーストでも堅い守備をみせ、試合運びが落ち着いた。代打の切り札となったラマル ギービン ラタナヤケ内野手(3年)がしっかりと機能すれば、チームを押し上げる存在となりそうだ。

報徳学園(兵庫代表)
打撃B 投手力A 走塁B 守備A

 センバツ準優勝・報徳学園の春からの成長点を挙げれば、絶対的な二枚看板である今朝丸 裕喜投手(3年)、間木 歩投手(3年)以外の投手が台頭したこと。技巧派左腕・伊藤 功真投手(3年)、速球派左腕・今堀 佑弥投手(3年)、右サイドの技巧派・上阪 昊誠投手(3年)が成長。特に上阪は準決勝の戦で延長10回に無死満塁を抑え、自信をつけた。

 打線は西村 大和内野手(3年)、齊藤 佑征内野手(3年)、安井 康起外野手(3年)と左の好打者を中心に得点を重ねる。 守備では二塁・山岡 純平内野手(2年)、遊撃・橋本 友樹内野手(2年)の二遊間の守備は鉄壁。他の内野手は守備も球際も強く、外野手も判断力が高い。センバツでの経験値の高さも含め、安定した試合運びが期待できそうだ。

智辯和歌山(和歌山代表)
打撃B 投手A 走塁B 守備B

 昨夏の県大会初戦敗退を乗り越え、2年ぶりの優勝。一番の武器は準決勝まで無失点だった投手力の高さだ。渡邉 颯人投手(2年)、松倉 汐音投手(3年)、中西 琉輝矢投手(3年)、宮口 龍斗投手(2年)はいずれも140キロ超え。特に197センチ右腕の中西 琉輝矢投手(3年)は140キロ台後半の速球で押す投球を見せる。

 打線は木製バットで本塁打を打てる花田 悠月内野手(3年)、左の好打者・松嶋 祥斗内野手(3年)と長距離打者はいるが、爆発には至らず。3点~5点をとって逃げ切る試合運びとなりそうだ。

広陵(広島代表)
打撃C 投手A 走塁B 守備A

 4度目の甲子園となった髙尾 響投手(3年)が絶対的なエースとして君臨していたが、春季大会、広島大会では146キロ左腕・山口 大樹投手(3年)、143キロ右腕・堀田 昂佑投手(2年)が台頭してきた。準決勝の呉港戦では山口から髙尾のリレー、広島商との決勝戦では髙尾が先発して、山口のリリーフと髙尾一人に頼らない形はできつつある。甲子園でも実践できるか。

 打線は只石 貫太捕手(3年)など能力が高い選手を揃えるが、広島大会の総得点は6試合で36得点。準決勝以降はロースコアの戦いが続き、甲子園でも同様の戦いが予想される。

神村学園(鹿児島代表)
打撃A 投手B 走塁A 守備B

 昨夏ベスト4の神村学園は甲子園経験者が多く残る。メンタルのブレも小さく、いつでも実力を発揮できる強さがある。スラッガーの正林 輝大外野手(3年)が注目されるが、岩下 吏玖内野手(3年)、入耒田 華月外野手(2年)、今岡 拓夢内野手(2年)、木下 夢稀捕手(3年)らどの打者もミート力が高い。鹿児島大会では58安打中、50安打が単打。低く強い打球を心がけ、連打で次々と点を重ね、ワンヒットで還れる走塁にも磨きをかけてきた。大振りにならず、着実に点を重ねる試合運びは昨夏、今年のセンバツを経験したからこそ実践できるのだろう。

 今村 拓未投手(3年)は最速144キロまでスピードアップし、決勝戦で完封勝利。早瀬 朔投手(2年)、3年生左腕・上川床 勇希投手も控え、継投策でも勝負できる。

 8月4日の組み合わせ抽選会ではこうしたAクラス同士の対戦も予想される。抽選会後、各ブロックを見ながらベスト8予想記事も紹介する予定だ。