<秋季東京都高校野球大会第17ブロックB:府中西14-7私立武蔵>16日◇代表決定戦◇都立総合工科グランド

 府中西が7回コールド勝ちで私立武蔵に勝利し、2018年以来となる秋季都大会出場を決めた。

 19年に5回戦、21年には4回戦と近年は夏の大会で上位進出を果たしていたが、秋季大会は1次予選で5年連続白星から遠ざかるなど、厳しい冬を過ごしてきた。それでも、今年は初戦で芝浦工大附に6対2で勝利して6年ぶりの白星を挙げ、優勝決定戦進出を決めていた。

試合は2回に6点を先取され、厳しい展開となったが、「点を取られても、引きずらないことが課題だった。選手達が心にとめて体現してくれた」と坂本 瑞樹監督が話すように2、3回に2点ずつあげ追い上げると、5回に5点を加えて逆転に成功。その後も得点を重ねて7回コールド勝ちを収めた。

 勝利を呼び込んだのは1年生の頃から登板経験を持ち、エースナンバーを背負う林 風馬投手(2年)だ。3回表から登板すると、守備のミスと四球で無死満塁の窮地を作ったが、「チームを信じることができた。元々メンタルは強くないですが、自分を奮い立たせていた」と、三振と三塁併殺打で抑えて流れを呼びこんだ。その後も走者を出しながらも要所を締める投球で5回を投げて1失点。坂本監督も「林は気持ちが乗れば失点なく投げてくれると踏んでいた。相手の攻撃を止めて、野手が一点ずつ返していくことができました」と逆転勝利に導いたエースへ厚い信頼を口にしていた。

10月5日から始まる都大会に向け坂本監督は、「今年は攻撃のチーム。今日のような粘った試合ができることを自信にして欲しい」と話す。林も、「都立の中でも力があるわけでないが、強いチームと対戦することになるので、挑戦者の気持ちで臨みたい。チーム目標の『ジャイアントキリング』を実現して、『都立の星』と呼ばれるように頑張りたい」と意気込んでいる。